kenzi200’s diary

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7・29・源兵衛という用人が夢酔と新太郎と忠次郎をつれて八幡の祭礼へでかけてケンカの手ほどきをしてくれた。壮烈をきわめたケンカ指南しなんであった。  相手を物色して祭礼の人ごみを歩いていると向うから利いた風な奴が二三人で鼻唄をうたってくるから、まず忠次郎がそいつの顔へツバをふっかけた。 と、野郎が立腹して下駄でぶッてくるのを、夢酔がゲンコをかためて横ッ面をぶん殴り、あとの奴らがかかってくるのを盲めっぽう殴りつけて追いちらした。  ブラブラしていると二十人ほどの奴がトビ口をもって四人をとりかこんだから、刀を

ボーダー 「7・29・源兵衛という用人が夢酔と新太郎と忠次郎をつれて八幡」 https://linliv.ee/S6nKshL/co/ot/sh/pl #LINELIVE で配信中

 

源兵衛という用人が夢酔と新太郎と忠次郎をつれて八幡の祭礼へでかけてケンカの手ほどきをしてくれた。壮烈をきわめたケンカ指南しなんであった。
 相手を物色して祭礼の人ごみを歩いていると向うから利いた風な奴が二三人で鼻唄をうたってくるから、まず忠次郎がそいつの顔へツバをふっかけた。
と、野郎が立腹して下駄でぶッてくるのを、夢酔がゲンコをかためて横ッ面をぶん殴り、あとの奴らがかかってくるのを盲めっぽう殴りつけて追いちらした。
 ブラブラしていると二十人ほどの奴がトビ口をもって四人をとりかこんだから、刀を抜いて斬り払っていると指南番が大声で、
「早く門外へ出るがいい。門をしめるとトリコになるぞ」
 と訓令する。
そこで四人並んで斬りたてながら八幡様の門外へでた。
するとまた新手あらての加勢が三十人ほど駈けつけて敵は五十人ほどになった。
並木通りの入口のソバ屋かなんかの格子こうしを後にして一生けんめい叩き合って四五人に手傷を負わせると敵にややヒルミが見えたから、ここだ、と見こんでムヤミに斬りちらしてトビ口十本ぐらい叩き落した。
 すると、また新手の加勢がきた。新手はハシゴを持ってきた。
四ツのハシゴを使って抜き身の暴漢をかこんで捕るのは捕手の術の一ツで熟練すると有利なものだそうである。
そこで指南の源兵衛は、
「もはやかなわぬから、あなた方三人は吉原へ逃げなさい。あとは私が斬り払って帰りますから」
 と云う。
「お前一人は置けないから一しょに逃げることにしよう」
「いいえ、お前さん方にケガがあるといけないから是非はやくお逃げなさい。はやくはやく」
 と言う。
そこで、夢酔は源兵衛に自分の刀を渡した。なぜなら源兵衛の刀は短いからだ。
それから四人いきなり大勢の中へ斬りこんだら道があいたから一目散に逃げだして、雷門で三人落合うことができた。
いったん吉原へ行ったが、源兵衛が気づかいだから、新太郎らのウチへ戻ってみると、さすがに指南番で、ちゃんと戻っていて、玄関でお酒をのんでいた。
そこで四人は又々何食わぬ顔で八幡サマへ行って自身番できいたら、四人の侍と六十名のトビと小揚こあげの者の聯合軍との大ゲンカがあって十八人の手負いがでて、いま外科で縫っているという話であった。
 この時から源兵衛を師匠にしてケンカの稽古に身を入れた。
また、ケンカの時源兵衛にかしてやった関の兼平かねひらが鍔元つばもとから三寸上で折れていた。
刀は侍の大切なものだから、こいつは気をつけなくちゃアいけないと気がついて、それ以来刀のメキキも稽古した。
これが後日の役にたって、彼の生計を支える主たる収入になるのである。
そのとき夢酔は十六であった。

           

人見知りな人間と

物怖じしない人間の違いは

怒り、憎しみは快感だと分かって
怒り、憎しみをいつでも使ってやるつもり
でいるか

そうでないか
の違いだけなんだと思いませんか?

           

勝小吉 はどんな苦しみも、困難も、
飄々と、淡々と、のほほんと、
やり過ごすために
横隔膜が下がった快感を目指している。

           

・「いい死に方」を目標にしておくことで

・怒り、憎しみを娯楽として使うことで

・横隔膜にかわいそうの目を向けることで

横隔膜が下がった快感を目指している。

           

・「いい死に方」を目標にしておく。

みんな死ぬ。